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春の足音が聞こえてくる中、大きな声も鳴り響いて

空間が一変してフワフワしているような、身体も軽やかな今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。

外を歩けば、あちらこちらに春の気配がムンムンしていますが、まだ“権力”を使いたい方々の大きな声が聞こえてきます。
何だがもうコメディ映画を見ているよう。でも、一方で、「ほら、いい加減ちゃんと目を開けなさい!」と、言われているようにも感じます。「あなたは、どんな世界を望んでいるの? あなたの、本当の望みは?」と。これまで関心の無かった人たちのおしりを「ほらほら!」と、叩いているよう。
“悪い人”の役目は、豪快で荒々しい。でも、時に目を開かせ、真実を語る。「惑星<雨>」で出会ったクリークが、私の肩越しでクックッと笑っています。
私たちが、振り回されることなく歩み続ければ、混乱は無くなっていくのではないでしょうか。

本当に強い人とは、どんな人のことだろう?
本当に賢い人とは、どんな人のことだろう?

仲間外れの人がいるのではない。仲間外れを作っている人がいる。
自分が仲間外れだと想っている人もまた、仲間外れを作っている人だ。

 

「もっと大きな流れの中にあれば、そして、流れそのものであれば、不安ではなくなるわ。それはとても自然な変化だから。それに、流れに逆らった変化は不自然で苦しいけど、全く変わらないってゆうことも、とても不自然なことだわ。だって、この世界は常に変わり続けているもの。そして、その変化そのものだけが、変わらないんだわ。」
ソラは、ヴィーゼの言葉を全部理解することができなかったが、そっと背中を押してくれるような力を感じがした。そして、深呼吸をすると、問いを続けた。
「どうして、みんなと同じであることと、みんなと違うことが、善くないことだったり、劣っていることになるんだろうか?」
「私たちは元々同じだってこと、だからこそ一人一人に違いがあるんだってことを忘れてしまっているのよ。その違いはとてもすてきなことで、それがあるから、私たちは、お互いに与え合える。そして、そこに自由もあって、きっと変化することもそうで、わざわざみんな同じっていうカタチを作らなくたって、もう既にみんなであって、繋がっていて、同じで、一つで・・・。だから、やっぱりそこに優劣をつけるなんてできないはず。・・・でも、彼らは、忘れたものも忘れたことも忘れてしまう。そして、その忘れてしまったものは目に見えないから、彼らの目では見つけられない。彼らは、自分の目に見えるもの、耳に聞こえるもの、触れられるものだけがこの世界の全てだと、そう思い込んでいるから。・・・でも、ギフトのある浮島だって、丘の間を満たしている水で私たちと繋がっているわ。それに気づけば、彼らだって・・・。」

― writing: 惑星<雨>より抜粋。

 

それでは、また。

賢く、平和であれ。
春は、もうすぐそこ。

 

 

「Everything and Nothing:Ocean」より「個と全」

Forest -2010ああ、落ち着いて。アナタは、溺れたりしないわ。ただ任せておけばいいの。
さあ、力を抜いて。水平線まで行きましょう。
あっ、でも、お静かに。ここは、とてもおしゃべりなのよ。
あの光が見える? そう、水平線の向こうにある光。アナタが来て、帰っていく所よ。
ここは、どこなのかって? ここは、アナタとワタシが分かれたところ。アナタとワタシは、一つだったのよ。覚えている?
ええ、知っているわ。アナタのいた世界では。みんな違って見える。そして、一つになろうとして、争い合っているのね。自分の望む世界が、一番優れているのだから、それに従えと。でも、元々一つだったのだとしたら、どうかしら?

 

― writing: 「Everything and Nothing」より抜粋

 

 

A Song of Twin Suns : #6

asongoftwinsunsわたしを呼ぶ 声が聞こえる
でも 確かに わたしを呼んでいるのだと わかっているのに
何を言っているのかが わからない

青い風が 吹く
声が 消えた
わたしは 目を開けた
目の前に 色を失くした世界が 微動だにせず 広がっていた

結局 何も変わらないのか・・・・・

わたしは 目を閉じて 歩き出した
乾燥した大地が 足の裏で 音を立てた

緑色の小さな光が 揺らいだ
緑色の小さな光の方へ向かうと
わたしは 森の中にいた
朝露に包まれ ひんやりとした森の中を 歩いていくと
朝日に照らされた朝露が 緑の上で 虹色に輝いていた

わたしを呼ぶ 声が聞こえる
でも やっぱり 確かに わたしを呼んでいるのだと わかっているのに
何を言っているのかが わからない

青い風が 吹く
声が 消えた
わたしは 目を開けた
目の前に 色を失くした世界が 何一つ変化せず 広がっていた

世界は もう死に絶えたのだろうか・・・・・

わたしは 目を閉じて 歩き出した

赤色の小さな光が 揺らいだ
赤色の小さな光の方へ向かうと
わたしは 海岸の砂浜の上にいた
波打ち際を歩いていると 真っ赤な太陽が 大空を赤く染めながら
水平線のその向こうへ 沈んでいった

わたしを呼ぶ 声が聞こえる
わたしは 星々が瞬く夜空を見上げた
でも やっぱり 確かに わたしを呼んでいるのだと わかっているのに
何を言っているのかが わからない

青い風が 吹く
声が 消えた
わたしは 目を開けた
そこには 相変わらず 色を失くした世界が 広がっていた

わたしは どうしたらいいのだろう・・・・・

わたしは 目を閉じて 歩き出した

金色の小さな光が 揺らいだ
金色の小さな光の方へ向かうと
わたしは 黄金のドラゴンの背に 乗っていた
雲を遥か下にして飛ぶドラゴンは 強い意志を持っているように
真っ直ぐ どこかに向かっていた

わたしを呼ぶ 声が聞こえる
わたしは ドラゴンに この声が聞こえるかと 訊ねた
すると ドラゴンは 世界に夜明けを告げるような声で 答えた
ああ 聞こえる あれは おまえの声だ
わたしの? でも わたしは ここにいるのよ
ああ だが 確かに あれは おまえの声だ

青い風が 吹く
声が 消えた
わたしは 目を開けた
色を失くした世界に 黄金のドラゴンが わたしの正面に 座っていた
ドラゴンは その深い青色の瞳で わたしをじっと見つめながら 語った
あっちとこっちに 壁は無い
壁を作っているのは おまえの意思
自ら生み出したものは 自ら壊さなければならない
さあ おまえの意思で 創り上げた世界を 壊せ
そうすれば おまえの目は 真の世界の色を 見るだろう
おまえは ひとりであり すべてである

わたしは 色を失くした世界に 仰向けになり 目を閉じた
乾いた風が まつ毛を揺らした

暗闇に わたしを呼ぶ 声が聞こえた
わたしは 全身を 声に預けた
すると 声が わたしの中に入ってきた
わたしは 声になった

声は 波紋のように 世界へ広がっていった
どこまでも どこまでも 外縁の無い透明な世界に 広がっていった

青い風が 吹く
わたしは ゆっくりと まぶたを開けた
青い空が 高く高く 広がり
白い雲が ゆったりと 流れていった
わたしは 手を伸ばし
太陽を 描いた

 

 

― writing: 「A Song of Twin Suns」 より抜粋