アトリエからの報告」カテゴリーアーカイブ

「ルーシーとソフィーとファーベル」を終えて

「ルーシーとソフィーとファーベル」を終えました。会期中は、雨の日もあり、ぐっと寒くなりましたが、木々は鮮やかに色づき、穏やかな時間が過ぎていきました。最終日の閉館時間までご来場いただきありがとうございました。

今回の個展は、「ルーシー(アファール猿人・人類の祖先(※諸説あり))と「ソフィー(知恵・叡智)」という言葉が見えてから数ヶ月後、「ファーベル(寓話・おとぎ話)」が加わり、どうやって出会ったのかすっかり忘れてしまいましたが、シルバーポイントを手にして、この「ルーシーとソフィーとファーベル」の制作がスタートしました。
制作中は、ずっと見たかったものを見ることがでたり、これまで学んできたことや経験してきたことを活かすことができて、ずっと憧れて挑戦したかったことにも挑めて、とても素敵な時空間でした。そして、ご来場いただいた方々にはバレバレでしたが、とてもとても楽しかったです。

この「ルーシーとソフィーとファーベル」は、まだ靄の中のミッシングリンクがあり、今回はそれを描けませんでした。(ずっと描けないかもしれないし、すでに描いているのかもしれないけれど・・・)
いつかスケールアップして、もう一度開催できたらいいなと思っています。その時は、“森”の復活と共になろうかと思います。

他にもまだ実現できていなことがたくさんあります。
すぐにみなさんにまたお会いできる予定は今のところありませんが、その時が巡ってきましたら、お会いしましょう。
今回の展示会が開催できたこと、本当に嬉しく想います。ありがとうございました。

みなさんの活動、想いが、豊かに実りますように。

それでは、また。

 

> 個展「ルーシーとソフィーとファーベル」

 

 

「A Song of Twin Suns」を終えて

個展「A Song of Twin Suns」が終了しました。
開催期間中、ギャラリーを開ける前に、通り道でもある井の頭公園のベンチに座って、水鳥の作る池の波紋や木々の葉擦れの音や子供たちの元気な声を聞きながら、ちょっと早いお昼ごはんをのんびり食べていました。
ジョギングをする人、犬の散歩をする人、本を読む人、楽器を奏でる人、写真を撮る人、語らう人々、スマホの画面を熱心に見ながら探しモノをしている人たち、いろいろな国から来ている人々・・・。みんな、それぞれの自分の時間軸で過ごしている。そして、その中に私もいて、人々の間に風が吹き抜け、すべての人に陽が差して、水が流れ、木々がうたう・・・。
子供のころから来ている場所も、あらためて静かにゆったり見渡してみると、また違う景色が見えてきます。とっても贅沢な時間を過ごしたような気がします。

ギャラリーを開けると、ギャラリーの外で流れていく時間と、ギャラリーの中の時間を超越した空間の狭間で、「ああ、この感じ」と、久しぶりの感覚にホッとするのを感じました。
ご来場くださる方々が入ってくると、その方それぞれの風が、会場の中に吹き込みます。
作品は、時の知らせを聞いたように目を覚まし、みる人と向き合う。
みる人は、そこで何かを受け取る。それを報告してくださる方、自分の中にしまって静かに会場を後にされる方。私は、それを受け取ります。

とても豊かな時間でした。ありがとうございました。

それでは、また。

 

> 個展「A Song of Twin Suns」

 

「A Song of Twin Suns」の始まりに

めっきり冷えてきた静かな夜の空気を感じながら、個展「A Song of Twin Suns」の搬入をしてきました。
搬入作業は、まずギャラリーの扉を開けて、静かで真っ白な空間に入っていく。そして、ひとつひとつの完結した作品を閉じ込められていたエネルギーを解き放つように梱包を解いていく。次は、会場全体をひとつの作品として、完成した作品ひとつひとつはその一部として配置していく。それは、特大のキャンバスに絵を描くようで、とても楽しい作業です。ひとつひとつそれぞれの世界がありながら、ひとつの世界を作っていく。そして、それぞれが最も適した場所に収まっていく・・・。
私たちの世界は、どうだろう・・・。

何事も、自分がやっていることをただ何となくこなしていくのではなく、注意深く見てみると、いろいろな発見がある。
遊ぶためには、土台がしっかりしてないとダメだってこととか。
いくら良いアイディアが浮かんでも、まず下地をしっかり作らなければ、適した用紙、適したサイズを選ばなければ、いくら頑張っても中途半端なへんちくりんなものができるばかり。
料理だって。おいしい料理を作るには、下ごしらえが大事。もっと言えば、食材が大事。いい食材を作るには、土が大事、水が大事、陽が大事、風が大事(今では人工で作ったりもしているけれど・・・)。そうやって、環境のことやいろいろなことに気づくことができる。
そして、この環境を作っているのは何だろう? この地球はどこにあるのだろう? と考えてみると、またいろいろなことに気づく。目の前のことから一気に宇宙まで拡大していったけれど、じゃ、私は? と考えてみると、外側に向かっていった意識は一気に内側に向き、自分のあり方がこの世界に影響を与えているのだと気づく。
何か大きな目立つことをするのが素晴らしいのではなく、普段の生活でやっていることに注意深くあれば、それだけで意識の転換は起きるのではないだろうか。誰かや何かを待つ必要もなく。
しっかりとした土台ができている上で思いっきり遊ぶ。それが成熟した大人の“遊び”ではないだろうか、と思う。

今回の個展のタイトルは、はじめ「Gate of Twin Suns」にしようと思っていました。でも、今年に入ってからだったか、「A Song of Twin Suns」という音が聞こえて、そうすることにしました。
宇宙はうたで満ちている。ゲートオープンという壮大な感じよりバラバラだった音が重なって一つの音を奏でるという方が楽しそうです。

それでは、みなさまのご来場お待ちしています。

 

> 個展「A Song of Twin Suns」 ※ こちらの展示会は終了しいています。