“無”

“無” を恐れる人
“無” を恐れない人
“無” を前にして上げる声は
悲鳴か あるいは 歓喜か

“無” を恐ろしい怪物と描く人
“無” を穏やかな母性と描く人
“無” を前にして感じる鼓動は
早鐘のようか あるいは 凪のようか

静寂を 恐れる人
沈黙に 耐えられない人
何もしないことに 苛立つ人
そうではない 人もいる
無感動でも 無気力なのでもなく
その人の全てで それらを恐れない人がいる

“無” を無と捉える人
“無” を有と捉える人
“無” を前にしてとる行動は
拒絶し逃げ出すか あるいは 留まり溶け合うか

“無” とは何か それに答えがあるのなら
“無” は有る といことだろうか
“無” とは何か それを恐れるのなら
“無” は有る ということだろうか
“無” の中に入ったら そこで何を見るだろう
そこで 何を聞き 何を感じるだろう

“無” は 終わりか 始まりか
“無” は墓場か 故郷か それとも・・・

今 “無” を恐れる人たちが 世界中で猛威をふるっている
“無” を恐れない人たちも 世界中で猛威をふるっている
そして “真の無” を知る人たちが 目を覚ましている