暗闇の中に 青い球体が現れた
それは 片方の手に 青い球体を乗せて 自分の頭より高く掲げながら
もう片方の手で 分厚い一冊の本を広げて 熱心に読んでいる
顔に深いしわをいくつも刻んだ 占星術師だった
占星術師は 独り言のようにつぶやいた
星々が巡っていく これは いつからはじまったのか
星々が巡っていく これは 誰の意思によってか
私は 星々を読む これが 星々の目的なのか
私は 星々を読む それとも 私がこうあれと 目的を与えているのか
星々が巡っていく 本を見つめる 私の頭上を
星々が巡っていく 私は 本を閉じよう
星々よ 私は ここにいる
星々よ 答えてくれまいか
天頂に瞬く星々よ 我々は 誰の意思によって ここにいるのか
占星術師は 片手に掲げていた青い球体を 飲み込むと
目をむき出し 暗闇の中に消えた
― writing: 「A Song of Twin Suns」より抜粋