「A Song of Twin Suns:#4」より「占星術師のつぶやき」

asongoftwinsuns暗闇の中に 青い球体が現れた
それは 片方の手に 青い球体を乗せて 自分の頭より高く掲げながら
もう片方の手で 分厚い一冊の本を広げて 熱心に読んでいる
顔に深いしわをいくつも刻んだ 占星術師だった
占星術師は 独り言のようにつぶやいた

星々が巡っていく これは いつからはじまったのか
星々が巡っていく これは 誰の意思によってか
私は 星々を読む これが 星々の目的なのか
私は 星々を読む それとも 私がこうあれと 目的を与えているのか
星々が巡っていく 本を見つめる 私の頭上を
星々が巡っていく 私は 本を閉じよう
星々よ 私は ここにいる
星々よ 答えてくれまいか
天頂に瞬く星々よ 我々は 誰の意思によって ここにいるのか

占星術師は 片手に掲げていた青い球体を 飲み込むと
目をむき出し 暗闇の中に消えた

 

― writing: 「A Song of Twin Suns」より抜粋